私はケトルを使ったことがありません。
キャンプを始めて1年近く経とうとしているのに1度もです。
それが最近になって「格好良いケトルが欲しいなぁ…」と考えるようになりました。
そして遂に出会ったのです!Googleさんに何度も相談した甲斐がありました(笑)
私のハートを射抜いたケトル、その名も【trangia ケトル TR-325】です。
キャンプ好きなら誰でもご存知、スウェーデンの老舗アウトドアブランドが創ったケトルに一目惚れです。
いつの間にか、この野暮ったいデザインに惚れ込んでしまいました。
初めは「なんだか映えないデザインだなぁ」と思ってたんですけどね(笑)
ってな訳で、今回はトランギアケトルの火入れを兼ねて、スタバのラテ(インスタント)を飲みにキャンプに行ってきました。
ケトルって必需品?
そもそも「キャンプにケトルがいるのか?」と言われれば。私の場合、全く必要はありませんでした(笑)
ケトルと聞けば、一瞬クッカーと同じくらい必要なギアと思いますよね?
でも「結局ただのヤカンでしょ?」
というのが、最近までの私の認識。
「お湯を沸かすだけならシェラカップで出来るし、なんならパスファインダーのカンティーンもありますけど!」
と、全くもってケトルの必要性を感じることがありませんでした。
そんな折、急に「ケトルが欲しい!」と思い立ったのには理由があります。
以前から、キャンプに行くと毎回コーヒーを飲んでいました。
当然ケトルは持ってませんから、シェラカップやカンティーンでお湯を沸かしてです。
それが前回のキャンプで、初めてスタバのラテを飲んでからといもの、ケトルがたまらなく欲しくなったんです。
「スタバのラテは皆さん飲んだことはありますよね?」
「インスタントラテはありますか?」
「旨いですよ〜!」
インスタントのくせに、本物のファームミルクのような泡立ちとクリーミーな飲み心地。
4種類のフレーバーが用意されているのも、ラテ好きなら見逃せません。
私は、あまりの美味しさに、キャンプのお供として毎回ギアケースに入れるようになりました。
話が逸れましたが、私はお湯を沸かすとき、基本は焚き火で沸かします。
車中泊の時はバーナーを使うこともありますが、キャンプ場では焚き火で煮炊きするのが好きだからです。
ところが、シェラカップやカンティーンでお湯を沸かしていると、些細なストレスを感じていることに気が付いたんです。
なぜなら、焚き火でお湯を沸かしていると、灰がお湯の中にダイブしたり、バーナーで沸かしても、シェラカップやカンティーンでは注ぎ口が大き過ぎてカップから溢れるからです。
そして、これが美味しいスタバのラテを飲んでいた時に「なんとかならんかな?」と思ったのです。
毎回キャンプでラテを飲むとなると、シェラカップやカンティーンでは、至福のカフェタイムを満喫出来そうもなく、出来ることなら「ストレスフリーでラテを楽しみたい」と思うようになったのです。
そこで「やっぱり餅は餅屋だなぁ」ということで、お湯を沸かす為だけの専用のギア、つまりはケトルが欲しくなったのです。
トランギアケトルTR-325を選んだ理由
正直に言うと、ケトルを探していた当初【トランギアケトル】はあまり眼中にありませんでした。
なぜなら、漁師小屋や場末の定食屋さんにある【ストーブの上で酒を温めるやかん】にしか見えなかったから…
どうせ買うならお洒落で武骨な【イーグルプロダクツ キャンプファイヤー ケトルST200】や、【ファイヤーマップルANTARCTI ステンレスケトル】など、メカニカルな武骨ケトルが欲しいと思ってました。
シンプルな"やかん"タイプなら【GSIグレイシャーステンレスケトル】も頑丈そうで、コチラも購入候補のひとつでした。
「それが何故トランギア?」
と聞かれれば…
「このケトルをよーく見てみて下さい。」
「目を閉じて、焚き火の中でお湯を沸かしている姿を想像してみて下さい」
「そして、焚き火に燻されて黒ずみ、使い古した姿をイメージしてみて下さい」
「ね!もうお分かりですよね?」
「分かるわけがない?(笑)」
「いや、分かってください」
「もはや渋い以外の何者でもないですよ!」
これが、トランギア ケトルTR-325を選んだ理由です。
見た目は野暮ったくても、必要にして充分な機能を兼ね備えてます。
持ち手のラバーチューブを取り外して焚き火に突っ込めば、"ヒロシさん風"の武骨なキャンプギアに大変身。
上蓋の樹脂製ノブのダサさはご愛嬌。
ステンレスノブのトランギアケトルも売ってますが、ここは敢えて樹脂ノブを選びたいですよね。
完璧なフォルムのケトルより、ダサ格好良いトランギア ケトルTR-325の方が私は好きです。
トランギアケトルTR-325の実力はいかに?
トランギアケトルTR-325は、その見た目もさることながら、大きさ・沸かせる湯量・材質と、ソロキャンプ好きの私にとって三拍子揃ったケトルです。
まず大きさですが、直径13.5cm×高さ7.5cmのコンパクトボディは、私が持っているバンドックのギアケースにスッポリ収まる丁度良いサイズ。
細々した道具は、なるべくギアケースひとつにまとめたい人にも向いていると思います。
沸かせる湯量も丁度良いんですよね。トランギアケトルは0.6ℓのお湯が沸かせます。箱の横書きには660㎖と記載もあるので余裕でしょう…
ところが…
300㎖を2杯入れたのに…(笑)
0.6ℓといえば、インスタントコーヒーを淹れるにしても、カップラーメンを作るにしても丁度良い量ですよね。
特に、インスタントコーヒーの必要湯量は180㎖。
ものの数分で沸かすことが可能です。アルミの熱伝導率の良さが際立つシチュエーションです。
0.6ℓといえば、ファミキャンなど複数人で行くキャンプには小さ過ぎますが、ソロキャンで使う分には十分過ぎる湯量です。
最後に材質です。
基本キャンプギアは、丈夫なステンレス製が好みなんですが、トランギアだけは"アルミだから良い"と勝手に思ってます。
なぜなら、廉価なアルミクッカーとは違いペコペコ感もなく、意外なほど頑丈で軽量だからです。
よく、アルミ製は剛性が弱く傷が付きやすいと言われます。
しかし、トランギアに関して言えば剛性は必要にして充分。
傷に関してはステンレスなどに比べると付きやすいのは間違いありませんが、傷が付くことで"使い古した感"が出て、かえってカッコ良いのです。
キズモノこそ愛着が湧くと言うものです。
トランギアの堅牢さは「使っているアルミニウムの品質の良さと、職人の技が素晴らしいからなんだろな」と勝手に思ってますが、実際のところはどうなんでしょう?(笑)
実際に使ってみて気付いた点
今回のキャンプは、トランギアケトルでお湯を沸かして、スタバのインスタントラテを飲むために来たと言っても過言ではありません。(笑)
では、実際の使用感についてご紹介していきます。
第一に、売り場で初めて見た時にも思ったのですが、想像以上に小さいということです。
「これでホントに0.6ℓも入るの?」
と、不安になるレベルの大きさです。
実際は180㎖くらいが多用する量なので、600㎖ほど淹れられれば問題ありません。
カップ麺を食べる時にも十分な湯量です。
では、早速使っていきましょう。
まず、使う前のシーズニングです。
どのみち私の場合、直に焚き火にぶっ込むのでやりませんでした。
むしろ、黒ずんだ風合いを出したい方はそのまま使った方が良いかも知れません。
バーナーでしか使わない方や、黒ずみを少しでも防止したい方はシーズニングをした方が良いと思います。
トランギアのメスティンと同じく、お米の研ぎ汁を使って、しばらく火にかければ、アルミ表面に皮膜が出来て焦げ防止にもなります。
今回は、食器用洗剤で1度洗ってきているので、そのまま使いたいと思います。
今日使うお水は"富士山のおいしい水"です。
「旨いラテを飲むなら、まずはお水から」という基本を忠実に守っていきます。
では、いざ焚き火に投入!
新品の綺麗なケトルがみるみる黒ずんでいきます(笑)
同時に徐々に良い感じに使用感が出て来ました。
この焦げた感こそ私好みの風合いです。
焚き火の火力にもよりますが、180㎖程度の水なら約5分ほどで沸きました。
アルミならではの熱伝導率の良さが、トランギア製品全般に言えるメリットですね。
ここで、スタバのインスタントラテの登場です。
ケトルデビューの本日の気分は、モカラテです。
チョコレートの風味と、トロッとした舌触りがラテ好きならたまりません。
初めて飲んだ時は、少々甘ったるいかなとも思いましたが、このスタバのラテだけは例外です。
ラテを飲みながら、お湯を沸かしてひと仕事終えたケトルを眺めるのが至福の時間です。
こんな一服を毎日したいと思いながら、限られた時間の中で、本日もキャンプを楽しんでいきたいと思います。
トランギアのブランドコンセプトが好きな事に気付いた
【トランギアケトルでラテを飲む】今回のキャンプを通して気付いたことがありました。
トランギアケトルの製品としての優秀さもさることながら、メーカーとしてのTrangiaの理念が好きなんだと。
Trangiaが常に大切にしているのは、製品がきちんと機能することであり、品質を守ることであり、そしてその製品が長く使えるかどうかということだ。
その品質の高さや堅牢さは、すべてが製品寿命の長さに直結している。“まだきちんと機能する” 製品である
:TrangiaメーカーHPより
いや、まさに私がキャンプギアに求めるコンセプトと同じです!
「トランギアさんありがとう」
と言いたい気分です(笑)
Trangia社はスウェーデン北部にある家族経営の小さな会社です。
4世代目となる今でも、1925年の創業以来変わらぬスウェーデン北部、イェムトランドにあるトロングスヴィーケンの工場ですべての製造をしているそうです。
そんなTrangia社が大切にしていること
"まだきちんと機能する"
この製品に対する想いは、どの世界のキャンパーにも支持される素晴らしいコンセプトだと思います。
厳しい北欧の冬においても、なお破損することのないよう一つたりとも不要な装飾や繊細な仕掛けは施されていない造り。
それこそが、驚くべき耐久性と過酷な環境下での絶対の信頼性を実現する要となるのでしょう。
また、原材料に厳選された高品質なアルミニウムを使用する点も変わっていないようです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
次の休みにでも、トランギアケトルを持ってラテを飲みにキャンプに行ってみてはいかがですか?
最近のキャンプブームも手伝ってか、各メーカーから様々なケトルが出てます。
しかし、シンプル・コンパクト・軽量、なおかつ「ダサ格好良いケトル」は、トランギアを差し置いて無いのではないかと私は思ってます。
【trangiaケトルTR-325】ソロキャン好き・ラテ&コーヒー好き・焚き火好きな方に大変オススメです。