【ファイヤースターターでさっと火を熾す】
キャンプ慣れした感じでカッコ良いですよね。
家ならボタンひとつで火が着くのに、キャンプだとわざわざ手間暇のかかる方法で火を熾したくなるのは何故なんでしょう(笑)
「ファイヤースターターって難しそう」
「1度やったけど失敗した」
「火熾しは着火剤で十分」
でも、「ファイヤースターターで火熾しって格好良いよね」と、思っている方に必見です!
今回はファイヤースターター初心者の私が、ファットウッドを使って、ファイヤースターターで着火する方法をご紹介しようと思います。
ファイヤースターター着火のひとつの方法として、参考になれば幸いです。
バーナー・着火剤・ファイヤースターターマッチは便利ですが、手間暇かけた火熾しもまた一興、ぜひ最後までご覧下さい。
ファイヤースターターとの出会い
思えば「ファイヤースターターでカッコ良く焚き火を熾すぜ!」と思って、秒で挫折した初キャンプ。
1年前に買ったファイヤースターターはギアBOXの中で埃を被ってます
何故なら、初ファイヤースターター着火は失敗に終わり、それからというものは名前が近いファイヤースターターマッチを愛用するようになったからです。
そんな私が、再びファイヤースターターで火熾しをしようと思ったのは、森の宝石と呼ばれるファッドウッドを手に入れたからです。
ファットウッドとは、立ち枯れや倒木などにより、松ヤニが枝の節などに溜まった肥松のことで、赤松や黒松の中に眠る森の宝石のこと。
古くは松明や、その燃焼時間の長さから夜の帷を照らす灯りとしても使われていたそうです。
今回は、そのファットウッドを使ってファイヤースターター着火をしていきます。
こんな方にオススメ
火口への着火が上手く出来ない
火口に着火出来ても、燃焼が早過ぎて薪にまで上手く火が移らない
ファイヤースターターの火花が少なくて上手く火口に着火出来ない
ファイヤースターター着火成功の鍵
そもそも論として、まずは火口への着火が容易でなければ、簡単にファイヤースターター着火は成功しません。
その為には低温でも、より大きな火花が出るファイヤースターターが必要です。
ファイヤースターターを、ストライカーで何度擦っても火口に着火出来ず、ギアBOXからマッチやライターを取り出した人も多いのではないでしょうか?
それもそのはず、ファイヤースターターの材質によって着火のし易いファイヤースターター、着火がし辛いファイヤースターターがあるからです。
その違いは火花の量と温度です。
ファイヤースターターにはマグネシウム製とフェロセリウム製の2つの材質があります。
具体的な違いは、フェロセリウム製のファイヤースターターの方が低温でも発火し、大きな火花と高温の火花を散らすことが出来るのです。
また、ファイヤースターターのスティックが太く長い方が、火花を起こしやすく着火しやすいのです。
つまり、ファイヤースターターを選ぶ際には、なるべく太くて長いフェロセリウム製を選ぶのがポイントということです。
火口には着火出来ても、その後焚きつけ、ないし薪にまで火が燃え移らないという方はこの後説明します。
まずは、火口に着火させるためにスティックが太くて長いフェロセリウム製のファイヤースターターを用意しましょう。
火熾しで重要な火口
焚きつけ、ないし薪にまで着火させる為には、優秀な火口が必要です。
もし、使う火口が着火しやすく、尚且つ薪を燃やせるだけの火力と燃焼時間があったら、ファイヤースターターで火を熾すことは簡単です。
そこで、森の宝石と呼ばれるファットウッドが、どれだけ火口として優れているか、試していきたいと思います。
一般的に用いられる火口は、麻紐、チャークロス、ススキ穂、フェザースティックなど。
勿論これらの火口でも、慣れてる人なら容易にファイヤースターターで火熾しが出来ます。
ところが、これら火口だと着火はなんとかなっても、焚きつけ、ないし薪にまで着火させることがなかなか難しい。
ましてや焚きつけ、ないし薪が湿気っていたりすると、これはもう一筋縄ではいきません。
問題は火口への着火ではなく、火口から焚きつけ、ないし薪へ火を燃え移すことなのです。
「燃えやすい焚きつけを使えば問題ないよ」という声も聞こえてきそうですが、燃焼時間が短い火口だと、しっかり乾燥した焚きつけを用意しなければそうもいきません。
そもそも、火口と焚きつけの区別も意見の分かれるところですが、フェザースティックのように火口と焚きつけが一体となったものでも、2、3本使わないと薪にまで着火させるのは難しいこともしばしば。
無論、大量の松ぼっくりや杉皮などがあれば話は違うのですが、なるべく少量の火口で、尚且つコンディションの悪い焚きつけ、ないし薪で火熾しをするのなら、やはり火力と燃焼時間の長さは需要なファクターとなるでしょう。
そもそも、薪にまで着火させるのに必要な要素は、薪にしっかりと熱を持たせることです。
そのファーストステップとして、木の中の水分を蒸発させること。
その後、だいたい250℃と云われる引火点まで薪を高温にし、450℃くらいの発火点まで一気に燃やすことが大切。
となると、当然求められるのは火力と燃費時間です。
つまり、焚きつけ、ないし薪を燃やすのなら、より強く、長く燃えやすい火口が重要になってくるのです。
火口最強ファッドウッド
火力が強く燃焼時間の長いファットウッドなら、焚き付け、ないし薪まで上手く火が燃え移ります。
特に焚き火台を使う場合、火口への着火は焚き火台の横でやることが多いでしょう。
しかし、火口に火が着いても、焚き火台に移動させる間に、火口が燃え尽きそうになってしまったことがある人も多いのではないでしょうか?
ともすれば、火口から焚きつけ、ないし薪にまで、上手に着火させる為には、強い火力と長い燃焼時間が必要になるのです。
そこで注目なのが、ファットウッドの火力と燃焼時間です。
ファットウッドには松ヤニが多く含まれていて、揮発性の高いテレビン油が含まれています。
そして、この成分が多く含まれている松ヤニは、古くから日本でも灯火として用いられ、松脂蝋燭などに発展しました。
ファットウッドを単体で焚き火に焚べると、一気に炎が上がり明るくなるのはそのためです。
そして、そのファットウッドを使って着火すると、他のどの火口にも負けない火力と燃焼時間が得られるのです。
「焚き火台の上で火口を着火させて、すぐに焚きつけを焚べれば大丈夫」そう思う方も多いと思います。
しかし、焚き火台の上でファイヤースターターを使うと分かるのですが、ファイヤースターターを擦った手が焚き火台に当たったり、安定してスティックを押さえ付けることが出来ません。
また火力や燃費時間に於いても、ファットウッド以上に強く長く炎をキープ出来る火口は無いのです。
着火剤や揮発性の高い油を含ませた火口ではなく、自然界にある火口を使うのであれば、ファットウッドほどファイヤースターター着火を簡単にしてくれる火口はありません。
ファイヤースターターの下準備?
初心者にありがちなのが、ファイヤースターターのスティックの黒い塗装を剥がさずに擦る事件です。
まずもって、ファイヤースターターを使う前の事前準備としてやらなければいけないのが、スティック部に塗られた黒い塗装を剥がすことが必要なのです。
この黒い塗装は、スティックの酸化防止と安全性を保つために塗られているのですが、当然この塗装を剥がさずにストライカーでいくら擦っても、着火に至るまでの火花は出ません。
そんなことは常識と思うなかれ、1年前の私はそんなことも知らず、マグネシウム製のファイヤースターターを、まっさらな黒い塗装を剥がさないまま、永遠と擦りまくっていました。
ファイヤースターターの黒い塗装をしっかり落とせば火花はバチバチです。
尚且つ、フェロセリウム製のファイヤースターターなら、ひと擦りとまでは云わなくても、三擦り半以内で火は起こせるでしょう(笑)
以上の内容を先日のキャンプで分かりやすく動画にしました。ファッドウッドの採取や取り出し方もご紹介してますので、是非ご覧になってみて下さい。
あとがき
私の場合、最近ファットウッドを手にする機会があったこともあり、ファットウッドを使ったファイヤースターター着火が1番失敗が少なく、カッコ良いと勝手に思っている次第ですが、皆さんもお気に入りの火口を使って、ファイヤースターター着火を楽しんでみて下さい。